【「みんなの不倫」|浮気関連書籍要約集】

取材の基づく浮気の類型整理

浮気や離婚の関連書籍の要約を紹介するコーナーです。

 

今回の本は下記。

 

「みんなの不倫」 
露木幸彦 著 宝島社 648円(税別)

 

著者の露木氏は、離婚問題に特化した司法書士。「離婚アドバイザー」の肩書で活躍されており、この分野で数冊の著書があります。

 

この本は不倫の経験者に実際に取材して書かれている点が興味深いです。

 

第一章は不倫経験者226人にアンケート調査をして、不倫のタイプの分類を試みています。

 

そして、残りの3章は、ひとつながりの不倫に関して男性と二人の愛人に取材して、動機や経緯を分析しているという、他に類を見ない内容です。

 

文章・構成に拙い面があり、ちょっと読みにくかったですが、他人の不倫の実情を細かく知りたい人には役立つ本だと思います。

 

 

はじめに

この本は不倫経験者226人に取材してまとめたもの。

 

不倫を魅力的な恋愛と感じる人には2つの共通点があることに気づいたという。

 

一つ目は男女共通で、心の中が空白や隙間だらけということ。

 

2つ目は、男は性欲を満たしたいということであり、女は恋をしたいということ。

 

2つ目の男女間のズレから、恋をしたい女がヤリ逃げされたり、遊びたいだけの男が結婚を迫られて家庭を壊されたり、といったことが起きる。

 

ちなみに「あなたの不倫恋愛はいくらの金銭的価値があるか?」という変わった質問の回答平均額は4493万円になった。

 

第1章 みんなの不倫

226人のアンケート結果からできるだけタイプが違う不倫を25例ピックアップして、少し詳しく紹介している。

 

1.性欲のはけ口

30代アメリカ人男性と近所の40代専業主婦。

 

子供の通う幼稚園で知り合い、その後、女からテニスクラブ入会を誘い、深い仲に。

 

男はスポーツ感覚でセックスを楽しんでおり、離婚する気など全くないが、女は最近、それ以上のものを求め始めた。

 

2.度の過ぎた八方美人

老人保健施設で働く30代既婚男性と30代未婚女性。

 

男性は別の交際相手と結婚して、いったん別れたが女から連絡して交際再会。

 

彼女の精神状態は不安定で男を必要としており、男は愛人と妻の双方にいい顔をしたがっている。

 

3.リスクは動機を倍増させる

40代既婚男性と職場の直属部下の20代未婚女性。

 

付き合い始めて3カ月を過ぎるころから自分への扱いが雑になってきたので、女性はわざと奥さんにバレるようなことをしながら、楽しんで継続。

 

二人の専用PHSでなく、携帯にメールし、奥さんが夫の携帯で返信しているのを知りながら、交信したり、など。

 

4.立場の壁を超越する

同じ病院に勤める40代既婚の男性医師と30代未婚の女性看護師。

 

尊敬できる医師だったが、男女の関係になってしまい、長く続いている。

 

女性は医師にとって自分がどういう存在なのかわからないが、できれば結婚したいと望んでいる。

 

5.遠慮無用の関係性

40代既婚男性医師と20代未婚大学院生女性。同じ研究室内。

 

良き相談相手から不倫に発展。女性にとってはすべてをさらけ出せる存在。

 

6.体だけの関係を正当化

30代既婚男性医師と20代未婚女性看護師。

 

妻が妊娠中の性欲処理相手。出産で入院した妻子の世話をしてもらったことも。

 

相手は別れたがっているが、妻が2度目の妊娠をしたので引き留めた。

 

7.複数の恋愛を同時進行

同じ病院の40代勤務医同士のダブル不倫。

 

男性医師は妻以外に女性が常に複数いる。

 

特に口説かなくても、優しく最後まで話を聞いた後に「僕を好きになって」と言えばすべて落ちる。

 

家ではよい夫、父親なので妻は満足しているはず。

 

8.頻繁に愛を再確認できる

30代既婚男性の本部長と同じ職場の20代未婚女性派遣社員。

 

女性は結婚を望んでいるのに、いつもはぐらかされて継続されるので、喧嘩が絶えない。

 

9.被害者救済という正義感

20代未婚女性派遣社員と取引先の30代既婚男性営業マン。

 

怠慢で傲慢な奥さんに苦しめられている彼を救い、自分が奥さんになりたい。

 

10.年の差恋愛が容易に

40代既婚女性(元経営者)と20代未婚男性(元従業員)。

 

夫婦でやっていたネットショップのスタッフと不倫関係に。

 

バレて夫が激怒したが、秘かに続行、二人で別会社立ち上げを画策。

 

11.意識は人助け>不倫

40代未婚女性と60代既婚男性。

 

多発性硬化症、失語症で入退院を繰り返す男性。

 

略奪婚や遺産が狙いではなく、ただ彼を助け、介護放棄の妻から守りたい。

 

12.許されるセックスフレンド化

40代既婚男性経営者と30代未婚女性従業員。

 

住居を会社の経費で負担。過去2度中絶させ、セックス以外の目的で逢わない。

 

13.目標を共有できる喜び

40代同僚同士のダブル不倫。

 

男性は昇進に伴って多忙化したが、妻が疑心暗鬼、ヒステリーになり、会社の掲示板に不適切な書き込み事件。

 

夫と別居中だった女性と意気投合して、ともに離婚&再婚を目指して共闘中。

 

14.一人二役、三役の達成感

40代既婚男性と20代未婚女性部下。

 

立派な父親、優しい夫、そしてモテる男でいたい。

 

15.家ではできない秘め事

30代既婚男性と30代未婚女性。老人保健施設の介護長と作業療法士。

 

女性が当時の交際相手の親に結婚を反対され、なだめたのが交際のきっかけ。

 

男性の妻は性格が異常に激しいので、すでに家を出てマンガ喫茶と実家を往復。

 

不倫は職場では公開済で、写真をミクシィに上げている。

 

16.選び間違えた伴侶を変更!

30代既婚男性と未婚の30代女性同僚。

 

嫁とのスレ違いが増大して修復努力もしたが、疲れてもう別れる決意をした。

 

三歩下がってついてくるタイプの不倫相手と一からやり直す。

 

17.略奪愛は最高の刺激

40代バツイチ女性と40代既婚男性。会社の同僚。

 

男は「一時の気の迷い」として別れたがっているが、女は妊娠して略奪婚するつもり。

 

18.時間の共有=愛情

30代既婚男性、芸術家志望の大学職員と、離婚経験のある40代女性同僚。

 

いつも仕事をフォローしてくれて、制作に没頭できる。

 

非常に長い時間を一緒に過ごしてきたので、いつの間にか愛情が芽生えていた。

 

19.愛情はお金を超越する

40代既婚女性と30代男性スーパーの店長。

 

夫は年収2000万円越えの経営者だが、傲慢。逃れたくてパートを始め、年収450万円の店長を強引に誘って男女の関係になった。

 

妻はすでに子供を連れて家を出、離婚訴訟中。

 

20.職業倫理<欲望

30代行政書士同士のダブル不倫。

 

嫁の妊娠・出産で欲求不満に陥り、不倫、そして発覚。

 

普段は離婚や不倫の相談に乗る仕事をしているのに、その時は職業倫理は吹き飛ぶ。

 

21.乗換自由。でもリスクの高い方へ

30代未婚女性と40代既婚男性、友人の飲み会で知り合い、既婚者と知らずに交際開始。

 

半年後に彼は現状を白状、嫁が母を介護し、父は余命3カ月、彼は家を出て友人宅やマン喫を泊り歩いている。

 

離婚して結婚してもらうのは無理と悟り、別れようとしたが、自分が体調不良に陥る。

 

未来のない関係だと思うが、やはり思いを断ち切れない。

 

22.不倫は無コスト

50代専業主婦と30代独身男性。

 

下の子が独立してから関係が始まり、週末は男の家に入り浸り。

 

彼との関係はあくまで遊び。旦那の金で彼と遊ぶのが理想。

 

23.貢献と幸福は比例する

30代未婚女性派遣社員と30代既婚男性会社員。

 

不倫が発覚し、彼が転がりこんできて同棲中。

 

奥さんが弁護士をつけて慰謝料200万請求してきたが、彼の分のも含めて400万円払ってやった。

 

なけなしの金だが、彼と早く一緒になれるなら惜しくない。

 

24.2回目以降の不倫は罪悪感なし

40代既婚男性・経営コンサルタントと30代未婚女性。

 

仕事で知り合ったが、彼女が体調を崩して無職になったため、家を借りてやり関係開始。

 

弁が立つし、嫁に貸しもあるし、少々遊んでも文句は言わないはず。

 

25.恋に定年はない!

40代未婚男性・介護施設長と60代既婚女性事務員。

 

男性は女性にほれ込み、「奥さんをください」と70歳を超える老夫に直談判。

 

親族の猛反対に遭い、女性は去ろうとしたが、ようやく男性の求めに応じる構えを見せている。

 

第2章 愛人1号、不倫を語る

「不倫の言い訳」はどれも自分勝手で客観性を欠き、聞く者を苛立たせる。

 

不倫には少なくとも3人の関係者が必要だが、各々の利害は決して一致せず、自分に有利なように事実を歪曲するからである。

 

しかし、関係者各々の言い分を聞いて一堂に照合できれば、真実がわかるのではないか。

 

そんな、普通は無理な取材ができたので紹介する。

 

40代医師(隆)と二人の愛人(香織・麻衣)にそれぞれ話を聞いた。

 

最初に隆と7年も不倫している女性看護師34歳(香織)の例。

 

外部要因と内部要因

著者によると、ダメとわかっていて不倫をしてしまう原因は、外部要因と内部要因に分かれるという。

 

外部要因とは、ある種の環境下に置かれると誰でも不倫をしやすくなるということ。

 

内部要因とは、不倫しやすい体質・素養がその人に備わっているということ。

 

この章では外部要因について語りたい。

 

この女性の場合、周囲にバレやすいのに職場恋愛、開始時期が結婚適齢期の27歳、やめる選択肢もあったはずなのに7年も続けていること、という3点が他人の目には奇異に映るはず。

 

どうしてこんなことをしてしまうのか?

 

性欲が高まる方程式

著者によると「ストレス×生存欲求=性欲」という方程式が成り立つとのこと。

 

医療と介護の仕事は極めてストレスが強く、特に後者は薄給なのでさらにストレスが強い。

 

また、この二つの職場は常に人の死を目にする仕事でもある。

 

大天災、サリン事件、テロ事件などが起きた翌年は婚姻数や出生率が上昇するのが統計で確認できる。

 

人は死を意識すると家族・子孫を残そうとして性欲が高まるのである。

 

高まった性欲が配偶者に向かわない場合、不倫となる。

 

というわけで、ストレスも生存欲求も高まる病院と老人ホームは異常に不倫が多い。

 

高い倫理意識が求められるはずの医療関係者に不倫が多いのは、実は自然の摂理である。

 

職場で不倫が始まりやすい3つの理由

一つ目は仲間意識。同じ目に遭っているという気持ち。

 

第二に、差別化による優越感。大勢の部下がいる中で自分にだけ素顔を見せたりされれば舞い上がる。

 

上司の愚痴をこぼすと、上記2点を高めて不倫が始まりやすい。

 

第三は接触頻度の多さ。アポが必要な社外不倫と大きく違う要素。

 

不倫では即ヤリが可能な理由

普通の恋愛では、女性は心を開いてから、肉体関係にと、段階的に進む。

 

不倫では慰謝料のリスクや後ろめたさもあるので、ハードルはさらに高いはずとも思える。

 

しかし、実際は不倫の場合は最初のデートでセックスすることが多い。

 

そこに至るまでに既に性欲が最大化されているからである。

 

不倫では精神の悪循環が起きる

不倫は始まった後も幸福な形で成就せず、「妻になりたいが無理だ」「私は彼にとって何?」「もし、彼を失ったら?」といった葛藤を引き続き発生させる。

 

不倫の方程式のストレスの項は一向に減じないのである。

 

この例の女性(香織)の場合、不倫地獄にハマった要因を整理すると上記のようになる。

 

相手が優しかったのがかえって悪かった。

 

「自分は愛人。セックスの道具。」とは割り切れなかったが、「自分は彼女」とも信じ切れなかった。

 

精神の苦しみは体に現れて、やせ細り、冷え性を通り越した体の冷たさだった。

 

第3章 愛人2号、不倫を語る

不倫の「内部要因」がテーマで、ケースは21歳の女子学生(麻衣)。

 

隆は病院の勤務医だが、1年だけ別の大学で教鞭を取ったことがあり、その時にできた愛人だった。

 

麻衣さんは20歳も年上の教授を相手に処女をささげて不倫。

 

彼女は中学生の時に両親が離婚し、父親には経済的支援を受けながら、父親らしからぬひどい振る舞いを許せないといった事情があった。

 

そんな父親から久しぶりに連絡が入ったが、ひどい内容で、彼女はしばらく引きこもって授業に出なくなった。

 

心配して連絡してきた教授にすべてを打ち明けて相談したことから不倫が始まった。

 

二人きりの食事の後、教授は「僕を好きになってほしい」と言った。

 

教授は細やかに女性のケアをした上に、二人は体の相性も抜群で、どんどんのめりこんでいった。

 

不倫の愛でストレスがいったん減少したが、女の中に「本命になりたい」という気持ちが芽生えてくる。

 

これが実現しないどころか、捨てられる不安も高まって、女は精神のバランスを崩す。

 

男は女に予定を教えないまま転勤して、突如不倫関係は終わる。

 

女は二人の行為後の全裸写真を妻に送りつけた。

 

不倫をする女性は性にオープンな社交性のある女性だと思っている人もいるが、実は心に傷を負った不器用な女性が多い。

 

幼少期に不幸な出来事があったとか、父親に愛されたい、とか。

 

その心の隙間にうまく入り込める男性が不倫関係になれる。

 

不倫が始まると女性はいったん楽になるが、略奪愛に成功しない限りは自滅的にストレスを高めて崩壊していく。

 

末期症状においては誰の得にもならない愚かな行動をしがちだが、そこには損得といった合理的判断はすでにない。

 

既婚男性と未婚女性の不倫は、男性にとっては自由恋愛だが、女性にとっては不自由恋愛。(東野圭吾)

 

男は元の家庭か愛人か選択肢があるが、女は相手次第だからである。

 

心に傷や隙間がある女性が、不倫にのめりこみやすい内部要因を持つと言えるが、実際に不倫に堕ちるまで当人にその自覚はない。

 

第4章 モテモテ男、不倫を語る

では、香織・麻衣という二人の愛人と関係した医師の隆は何を考えていたのだろうか?

 

外見はクリスチャーノ・ロナウド似のハンサムで筋骨隆々、目力も非常に強い人物だった。

 

しかし、これまでの相談経験からいえば、不倫をする男性のすべてがこういうタイプではなく、外見は様々である。

 

隆氏は結婚3年目から今まで常に愛人がいるとのこと。

 

人にやさしくするのが苦にならず、マメな性格。家庭も大事にしながら、遊びもいっぱいする。

 

香織に手を出したのは、妻が妊娠して欲求不満に陥ったからだという。

 

職場で不倫が発覚して問題になったが、上司なども不倫経験者ばかりでもみ消しに協力してくれた。

 

著者の意見では、不倫をする人には隆氏のような不倫上手と不倫下手がいるという。

 

不倫下手は、手にした数少ないチャンスにのめりこみ、口説きまくり、贈り物をし、家庭を壊す。

 

不倫上手は、口説きまくったりせず、ただ相手の話を繰り返し最後まで聞いてあげて、まず相手の中に「信頼できる相談者」というポジションを確立するのだという。

 

その上で、不倫の開始決定を相手にゆだねるような口説き文句を使う。

 

  • 「僕のことを好きになってほしい」
  • 「〇〇の好きにしていいと思うよ」(〇〇は女性の名前)
  • 「そばにいてほしいと思ってる?」

 

口先のテクニックが達者なわけではなく、相手の話を聞き、相槌を打つのが大切なのである。