【パートナーの浮気に気づいたら|浮気関連書籍要約集】

調査・慰謝料・離婚への最強アドバイス

浮気や離婚の関連書籍の要約を紹介するコーナーです。

 

今回の本は下記。

 

「パートナーの浮気に気づいたら!調査・慰謝料・離婚への最強アドバイス」 
元榮太一郎 他 共著 中央経済社 1,800円(税別)

 

弁護士法人法律事務所オーセンスの代表・元榮氏ほか、所属弁護士3名、計4名の共著です。

 

浮気が原因で慰謝料請求や離婚に向かう人にターゲットを絞った、法律家による本です。

 

法律家が書いた離婚の本は多いのですが、性格不一致、親族不和、DVなどが原因のケースも扱っているのが普通なので、浮気で悩んでいる人には不要な情報が多すぎます。

 

その点、この本は絞り込めているので、必要な情報を短時間で得やすいと思います。

 

また、原一探偵事務所が執筆協力していて、実践的な浮気調査の裏付けがある点も、類書にはない魅力です。

 

 

第1章 もしかして浮気?

昔は、浮気は男性がするものというイメージがあったが、今は相談者の男女比率は半々。

 

女性の浮気は、共働きの家庭に多い。

 

子供が小さいうちは稀だが、学校に通う年齢になって、昼間に暇ができると、何かのきっかけで浮気を始めてしまうようである。

 

浮気のありがち行動パターン

 

ケータイにロックをかける

もともとセキュリティのためにかける人もいるが、急にかけるようになった場合は何か理由があるはず。

 

あるいは、家の中で肌身離さず持ち歩くようになった、パートナーの目の前で電話もメールもしなくなった場合。

 

深夜残業や休日出勤が急に増える

浮気時間のカモフラージュに仕事がよく使われる。

 

残業や休日の手当てが給与明細に記載されてるかチェックするのはひとつの検証方法。

 

女性は「習い事を始めた」というカモフラージュが多い。

 

突然、態度が冷たくなる

喧嘩を吹っかけてくるところまで来ると、相手から離婚を切り出すのを待っている状態。

 

逆に、罪悪感からやさしくなったり、家族サービスをよくするようになることも。

 

この場合は、離婚したくないと考えているので、発覚すれば謝罪して関係回復に応じる可能性がある。

 

オシャレに気を使い始める

妻に下着を買わせていた男性が、自分でパンツを買うようになる。

 

女性の下着が派手になる。

 

流行に疎かった男性が、急にブランド、人気レストラン、ディズニーランドなどに興味を持つ。

 

自分でお金を管理したがる

家計は一緒で、銀行口座も共同管理している夫婦が多いが、突然分けようと言ってきたら要注意。

 

証拠集め

離婚協議がこじれて裁判になった場合、自分の主張を認めてもらえるかは証拠がすべて。

 

裁判に先立つ調停でも、証拠があれば調停委員が味方についてくれたり、配偶者が折れて軟化したりする。

 

必ずしも離婚を考えていなくても、証拠を揃えて客観的に事実を把握するのはムダではありません。

 

証拠になるような写真

まず、ラブホテルや相手の自宅への出入りの写真。

 

顔がはっきり写っていて、一定以上の滞在時間を証明できるよう、入りと出の証拠があること。

 

素人が撮影するのは難しいので、探偵社に頼む方が多い。

 

言動と矛盾するレシート

配偶者のかばんや財布の中から出てきたレシートは、それだけでは証拠としては弱いが、他の証拠と合わせると力になる。

 

何より、写真より入手が容易。

 

普段行かないような場所のコンビニ店舗のレシートが見つかったら、浮気相手と会っていた可能性もある。

 

最近はラブホに行く前に、コンビニで食べ物を買っていくカップルも多い。

 

コンビニのレシートの住所をグーグルマップなどで検索して、近くにラブホ街があれば間違いない。

 

水族館の半券なども、「仕事に行く」と言っていた日のものなら証拠になりうる。

 

クレジットカードの明細書も、自分で言っている行動と矛盾があれば証拠になる。

 

浮気の証拠メールを撮影する

メールの文面や添付写真に浮気を匂わせる内容があれば証拠になる。

 

相手のスマホやPCから転送すると形跡が残るので、自分のスマホなどで画面を撮影するのがベスト。

 

メールは証拠が残るので通話しかしない人もいるので、通話履歴も撮影しておくとよい。

 

特定の相手と高頻度で通信していたら、それが怪しい。

 

ネットサービスをチェック

SNSをきっかけに浮気が発覚する例が増えている。

 

Facebookに投稿されたツーショット写真の日時と場所が判明すれば、証拠になりうる。

 

写真につけられたタグで、パートナーが浮気相手といっしょにいたことが判明することもある。

 

LINEはメール同様に1対1のやり取りなので、重要な証拠が残っている可能性がある。

 

また、浮気相手に会いにいくために、乗換検索サービスを利用している場合は、検索履歴をチェックする。

 

文字入力の予測変換機能も要チェック。

 

「あ」と入力したら「愛してる」、「け」と入力したら「結婚しよう」などと出てくるかもしれない。

 

手帳の記述を調べる

ネット時代の今も手帳やスケジュール帳を愛用する人は多い。特に女性。

 

誰といつ会ったのか記録されていることもあるし、★など記号が使われていることもある。

 

 

 

上記のような証拠は写メを撮っておく記録法が一番。

 

家族のスマホやPCを覗き見するのは、よほど極端な方法を使わない限り、違法と判断されることは少ない。

 

また違法とされたとしても、民事裁判で有力な証拠として使うことができる。

 

ただし、Gmailなどのウェブメールのパスワードを解読してログインするのは、不正アクセス禁止法に抵触する危険があるとのこと。

 

ICレコーダーで音声を記録

パートナーの主たる移動手段が車なら、長時間録音できるICレコーダーを仕掛ける方法も考えられる。

 

家庭の中で、浮気について問いただした会話を録音するのもアリ。

 

ただ、あまり強い口調で問い詰めると、自白を強要した証拠にもなり、不利にもなりうるので注意。

 

自動車に仕掛ける装置としてはGPSもある。移動経路や現在の居場所がわかる。

 

探偵事務所に依頼する

レシート集めなどは自分でやり、写真撮影などは探偵事務所に依頼するなど、方法を分けるのもよい。

 

浮気調査について探偵事務所ができるのは、基本的に尾行と証拠写真の撮影のみ。

 

盗聴・盗撮、電話番号やナンバープレートによる個人特定、別れさせ屋などの工作行為もまともな探偵社はしない。

 

依頼の際に必要な情報
  1. 調査対象者の顔写真(数枚)、身長・体格、普段の服装・かばん
  2. 勤務先の住所・電話番号
  3. 車の車種、ナンバー、色
  4. (もし知っていれば)浮気相手の氏名、自宅住所、勤務先
  5. 立ち回り先の店名・住所など
  6. 生活パターン、怪しい行動などをしているのではと疑われる曜日や時間帯

 

依頼者の情報をもとに、現場の地理や交通状況、当日の対象者の行動予測などを総合し、探偵・車両の投入数などを決めて見積もりを出す。

 

探偵事務所の調査とは

調査は通常2〜3人のチームで行う。

 

撮影は、今はデジタルビデオカメラが多い。便利、かつ捏造も困難なため。

 

調査が終わると、裁判の証拠に使えるレベルの報告書にまとめてくれる。

 

調査にかける日数は原一の実績統計で、7〜8日が46%、4〜6日が20%、10日以上が17%。

 

事前リサーチで浮気をしそうな日をつかんでおくことが重要。

 

費用は5〜60万円くらいが目安だが、必要な探偵人数は状況に応じて変わるし、単日に絞り込めれば10万円台で済む可能性もあり、ケースバイケース。

 

信頼できる探偵事務所の見分け方

2007年施行の探偵業法以降、あまりにひどいのは減ったが、いまだに悪質業者もいる。

 

見分けるチェックポイント
  1. 探偵業法の届出をしているか
  2. ホームページなどで会社の所在地が公開されているか
  3. 探偵業者の協会、または団体に加入しているか
  4. 相談内容をあまり聞かずに、すぐ調査料金を言って契約を促してこないか
  5. 会社・事務所での面談を避けようとしていないか
  6. 調査料金が異常に安くないか
  7. 復縁工作や電話番号からの所有者判明など、違法な調査を宣伝していないか

 

4は金だけ取って真面目に調査する気がない可能性あり。

 

6は、GPSだけ仕込んで調査員が現場に行かないとか、ここぞという時に調査員が足りないとか、あとで追加請求でぼったくるつもり、といった可能性がある。

 

こうしたことを踏まえて、探偵社は慎重に選ぶこと。

 

まず、ホームページなどで届出番号、所在地、事業規模やコンプライアンス遵守(違法な調査を宣伝していないか)等を確認。

 

次に電話やメールで相談の予約を取るが、まだ依頼は決めないこと。

 

実際に会って、オフィスの雰囲気やちゃんと話を聞いてくれて信頼できそうかなどを確認し、料金に十分納得した上で決める。

 

契約書や重要事項説明書が明瞭であることも重要。

 

浮気が発覚したら

激高して問い詰めてはいけない。証拠を全部消されてしまうから。

 

気づいていないふりをしてしばらく泳がせ、証拠を集めること。

 

証拠が集まって離婚の意思が固まってきたら、次は現在の財産を調べること。

 

子供がいる場合、子供に伝える方法やタイミングも考え始めないといけない。

 

相手の言い訳の想定

証拠をつかんでも相手がいろいろ言い訳してくる可能性があるので、事前に想定の上、どのように追及するか準備しておく必要がある。

 

ホテルには行ったが、朝まで悩みの相談に乗っていた、仕事の打ち合わせをしていた、体調が悪くなったので休憩しただけ、等。

 

相手の自宅には行ったが、親も同居なので性行為ができる環境ではなかった、ほかの友達もいた、その時は病気で行為はできなかった、等。

 

メールでの「愛してる」「結婚しよう」は冗談だった、など。

 

浮気相手と別れさせる方法

簡単に別れてくれない場合の対策として、慰謝料を請求し、二度と会わないと誓約させ、約束を破れば違約金を設定しておく方法がある。

 

もしくは、いったん慰謝料を請求し、二度と会わない誓約を条件に請求を取り下げる方法も。

 

弁護士に頼んだ方がスムーズだが、自分でやる場合は公正証書にしておくこと。

 

相手が会社員や公務員の場合、勤務先に知られるのを恐れることも多いが、「会社に知らせるぞ」などというのは危険。

 

脅迫罪、名誉棄損罪になる可能性もあるので、「慰謝料を払わないと、給与差し押さえで会社に知られることになりますよ」くらいに留めること。

 

復縁を考えてみる

関係回復を望むなら、優しく接すること。

 

あまりに責め立てて居場所をなくすと、また浮気に走る。

 

夫の場合、子供になつかせると、浮気相手に未練があっても「この家庭を大事にしよう」と考えやすい。

 

妻の場合は、いったん心が離れると簡単には戻らないが、慰謝料請求などで浮気相手と完全に切らせ、粘っていくことが大切。

 

この場合も子供になつかせることは効果がある。

 

気持ちはもうないが経済的な理由で離婚したくない場合、それをあからさまに伝えるのは避けるべき。

 

証拠が残る形でやってしまうと、相手が離婚を請求してきて「婚姻関係はすでに破綻していた」証拠に使われる可能性がある。

 

ケーススタディ1

二人の子供のいる主婦。

 

夫の携帯で「好きだ」「早く会いたい」というメールを見つけて、職場での浮気発覚したが、夫は冗談だったと言って浮気を認めない。

 

子供のために離婚は思いとどまったが、相手に慰謝料を請求したいと思い、法律事務所オーセンスに来所。

 

まず探偵を使って証拠を取り、浮気相手に受任通知を送付して交渉開始。

 

慰謝料200万円と、職務上必要な場合以外は接触しないという誓約を取り、公正証書作成。

 

弁護士が過去の判例を説明し、適切なタイミングで証拠を提示したことが勝因になった。

 

第2章 「リコンしよう」という前に

離婚では次の4ポイントを整理することが大切。

 

  1. お互いの気持ちの事
  2. 子供のこと
  3. お金のこと
  4. 離婚原因

 

離婚にあたって解決しなければいけない問題が整理されている。

 

子供の親権、養育費、面会交流。

 

財産分与、慰謝料、婚姻費用、年金分割。

 

そして、協議離婚できなかった場合に民法で認められている5つの離婚理由など。

 

相談可能な専門家について、活用方法の紹介もあり。

 

離婚相談に活用可能な専門家
  • 弁護士
  • 離婚カウンセラー・心理カウンセラー
  • 地方自治体の窓口
  • 公共職業安定所(ハローワーク)
  • 福祉事務所
  • 探偵事務所・興信所
  • 配偶者暴力相談支援センター

 

弁護士を使うメリット
  1. 客観的で冷静な判断ができる
  2. 交渉に伴うストレスから解放される
  3. 少しでも有利な解決が期待できる
  4. 事後的なトラブルを防ぐことができる

 

4つ目の事後的なトラブルというのは、例えば約束した養育費を払ってくれないなど。

 

離婚を伝えるタイミング

浮気が原因の場合、強い証拠をつかまないうちに離婚の意思を伝えると、証拠隠滅される恐れがあるのでダメ。

 

タイミングが早すぎると財産分与でも不利になる。

 

自分名義の財産を別に移したり、存在がわからないように工作される可能性があるから。

 

子供への伝え方も難しい問題。

 

こうしたことの注意点がまとめられている。

 

 

 

逆に、相手から離婚を切り出された場合の対処法や、勝手に離婚届を出されないための対策も載っている。

 

ケーススタディ2

幼稚園の娘がいる30代後半の女性。

 

夫の2回目の浮気発覚で離婚を決意したが、親権も財産分与も交渉難航。

 

疲れ切って法律事務所オーセンスに来所。

 

弁護士が受任通知を送って粘り強く交渉した結果、相手の態度が軟化。

 

親権を渡し、法に則った財産分与に従い、慰謝料300万円の支払いに同意し、離婚も成立した。

 

第3章 リコンに向けて

 

離婚への心構え

離婚の決意が決まり、浮気の証拠を押さえ、共有財産を把握したとしても、相手に離婚の意思を伝える前にもうひとつやっておくべきことがある。

 

それは離婚後の生活のシミュレーション。

 

何と言ってもまずお金。生活費や子供の教育費をどうするのか?

 

離婚前の別居費用は「婚姻費用」といって請求できるし、慰謝料や養育費も請求できるが、それだけでは足りないはず。

 

すると仕事はどうするのか、という問題がでてくる。

 

次に住居。実家に帰る方法もあるが、遠くに移って転校となると子供への影響も出てくるので、それも考慮の上、判断せねばならない。

 

自分で家を借りるとなると、またお金の問題になってくる。

 

生活が厳しくなると想定されるなら、さまざまな公的支援の利用も検討すべき。

 

お金や住居の問題に一定の見通しがついた段階で、パートナーに離婚を伝えること。

 

別居のすすめ

離婚の話をする準備ができたら、早い段階で別居するのがおすすめ。

 

特に、自分は離婚の意思が明確で、相手が離婚を拒否している場合。

 

精神衛生上いいだけでなく、裁判に発展した場合、別居期間の長さが離婚が認められるかどうかに影響するため。

 

ただし、夫婦には同居義務・協力扶助義務があるため、正当な理由なく強引に家を出ると「悪意の遺棄」を主張される危険がある。

 

仮に黙って家を出る場合も「別居した方がお互い冷静に話し合えると思うので」といった置手紙をするなどの対策を打っておく。

 

あと、親権を取りたいなら子供を連れて出るべき。(大きな子なら子供の同意が前提だが)

 

裁判所は子供の現状維持を優先するので、子供が相手のもとで暮らしている状態が長く続くと、覆すのは難しくなる。

 

ペットは法律上は物品扱いで財産分与の対象になるが、やはり後で取り戻すのは難しいので、一緒に暮らしたいなら連れて出るべき。

 

離婚の3つの方式

離婚には大きく3つの方法がある。

 

夫婦の話し合いだけで決めるのが「協議離婚」で、これが離婚件数の9割を占める。

 

それで話し合いがつかなければ、家庭裁判所で調停委員を交えて話し合う調停を行い、話がつけば「調停離婚」となる。

 

調停前置主義といって、いきなり裁判を起こすことはできず、まず調停に進む。これが全体の1割。

 

調停でも話がつかなければ、裁判に進む。これが全体の1%。判決をもらって決まるのが「裁判離婚」。

 

これ以外に、調停が不調に終わった時に裁判所の審判で成立する「審判離婚」、裁判には進むが判決を待たずに提訴した側の要求を全部飲む「認諾離婚」、判決を待たずに両者が折り合う「和解離婚」などがある。

 

協議離婚

決めるべきことは下記の5点。

 

  1. 親権者の指定
  2. 監護についての指定
  3. 養育費
  4. 面会交流
  5. 財産分与
  6. 慰謝料

 

離婚届の受付に必須なのは1番目の親権者指定だけだが、後回しや口約束にしておくと後悔する。

 

全部よく話し合い、公正証書を作成しておくこと。

 

離婚届は、離婚したがっていない相手に渡すと、気が変わって提出しない恐れがある。

 

自分が持っておくか、2部作っておくこと。

 

調停離婚

調停の申し立て方や流れが説明されている。

 

注意点として、DVが原因の場合は、申立時に裁判所に相手に住所を知られたくないことをしっかり伝える必要がある。

 

また、パートナーとすでに別居しているが、十分な生活費をもらっていない場合、婚姻費用の分担を求める調停も併せて申し立てることが多い。

 

審判離婚

調停不成立の場合、家裁が相当と認めた時に職権で行うことができる決定。

 

裁判より手続きが簡単で、非公開である点がメリット。

 

夫婦間にわずかな意見のずれがあるだけで、離婚は認めた方がよい場合などに用いられる。

 

ただし、審判後に夫婦のどちらかから異議が出れば無効になるので、あまり利用されていない。

 

裁判離婚

離婚に合意できなくても、判決を得て強制的に離婚できる。

 

次のような場合に利用される。

 

  • 夫婦間で調停を行ったが、離婚の合意に至らなかった場合
  • 離婚は合意できたが、子供やお金の問題で合意できない場合
  • 離婚は合意できるが、相手の主張する離婚原因は認められず、自分の主張する原因で離婚したい場合

 

手続きは複雑で、決着がつくのに1年近くかかることも。

 

一審判決に不服なら控訴でき、二審判決にも不服なら上告できるので、最悪はとても長くなる。

 

なお、裁判に進んでも、双方が和解して判決を待たずに離婚することもでき、これを和解離婚と呼ぶ。

 

5つの離婚原因

民法が認める離婚原因について詳しく説明している。

 

協議離婚には理由はいらないが、片方が離婚に納得せず、法の助けで離婚する場合は、この5つのどれかに依らねばならない。

 

ケーススタディ3

家計を管理されて小遣いをもらっている単身赴任の夫。

 

長年、生活費にも困っており、夫婦生活もできていない現状に疑問を抱いて離婚を決意、法律事務所オーセンスに来所。

 

弁護士は、相手は生活に不満がないので協議離婚は無理だろうし、離婚原因がないので裁判に進むメリットもないと判断、調停を進めた。

 

依頼者は、相手が調停を欠席して不調に終わるだけでは?と反論。

 

弁護士は、給料の振込先を変更して、妻には適切な生活費だけを送金するように提案。

 

妻は従来通りの生活費を求めて婚姻費用分担調停を申し立ててきたので、そのタイミングで離婚調停を申し立て。

 

両調停を裁判所に同一期日で審理してもらい、調停離婚成立。

 

第4章 リコンと子供

親権を構成する2つの権利、身上監護権と財産管理権、など、まず親権の基本が説明されている。

 

裁判所に親権を認めてもらうためのポイント

大原則は、どちらの親元で育つのが「子供の利益・子供の福祉」にとってよいのか?ということ。

 

一番重要なのは「現在、誰が子育てをしているのか」。

 

裁判所は「子供を育てる意欲や能力の有無」を最重要視するが、現在の子育てに問題がなければ、これは自動的にクリア。

 

もう一つのポイントは、母性優先主義と子供の年齢。

 

離婚成立時に妊娠中だった場合、親権は自動的に、乳幼児の場合もほとんどの場合は母親に帰属。

 

子供が10〜15歳の場合は、子供自身の意見も裁判所は参考にする。

 

15歳以上の場合は、必ず子供の意見を聞いて尊重しなければならない決まり。

 

経済力は重視されない。相手から養育費をもらえば解決できる問題だから。

 

親権が認められる相場

親権は圧倒的に母親に有利。

 

どちらも育てられる状況なら、ほぼ母親に行く。

 

今まで熱心に子育てに関わってきたイクメンでもそれは同じ。

 

別居中の父親が問題なく子育てしていて、父親の両親のサポートがある環境でも、母親に親権が認められたケースがあったとのこと。

 

父親が親権を認められるためには、母親失格を主張して、裁判所に認めてもらう必要がある。

 

具体的には虐待や育児放棄(ネグレクト)。浮気をした母親だから、というのは通用しないし、経済力も関係ない。

 

父親の場合、親権はあきらめて面会交流の好条件獲得に力を注ぐことも多い。

 

ほかには病気などの理由で子育てが十分に行えない場合も親権は認められにくい。

 

後から親権が変更される場合

親権は一度決まったら後から変更されることは稀だが、養育環境が著しく悪化した場合などは「親権者変更の申立て」が認められることがある。

 

申立ては子供の親族なら可能。

 

親同士の話し合いで勝手に変えることはできず、必ず調停か審判が必要。

 

親権者が死んだ場合、自動的に離婚したもう片方の親に親権が移行するわけでなく、親権者変更の申立てが認められるか、「後見人」が選ばれる。

 

親権者が子育て不能の状態になったら、親族や検察官の請求で、家裁が親権を「喪失させる」こともある。

 

子供が連れ去られたら

日本の法律では、別居の際に子供を連れて出るのは適法だが、それを強引に連れ戻すのは違法。

 

適切な対処法は、裁判所に「保全処分」を申し立てること。

 

決定まで半年ぐらいはかかる。

 

裁判所が「子供を引き渡せ」という決定を出しても、相手が無視するかもしれない。

 

この場合も強引な連れ去りはNGで、裁判所による「間接強制」または「直接強制」の手続きを踏まねばならない。

 

養育費

離婚母子家庭のうち、養育費をもらっているのはたったの2割。

 

大きな原因のひとつが、離婚時にきちんと決めておかなかったこと。

 

離婚時は感情的になっていて「自分ひとりで育てる」と思っていることも多いが、実際にできることかどうかよく考えるべき。

 

金額は「算定表」というものを使って決める。

 

給与所得者用と自営業者用の表があり、年収や子供の年齢・人数から適切な金額帯を出せる。

 

裁判官の判断がこの金額帯から逸脱することは稀。

 

支払方法は毎月振り込みが一般的だが、「これ以上、関わりたくない」といった理由で一括払いすることもある。

 

また、年齢は20歳までが標準だが、大学進学の予定なら22歳までとする事例もある。

 

養育費の支払いが滞った場合は、履行命令、履行勧告、間接強制、差し押さえなどの手段がある。

 

ただし、調停証書、審判所、公正証書といった根拠が必要なので、ちゃんと用意しておくこと。

 

面会交流

親権(特に監護権)を取れなかった親も子供に定期的に会う権利があり、頻度や方法を設定できる。

 

面会交流は親の権利であるとともにまず子供の権利でもあり、子供の利益が優先される。

 

子供の年齢が高くなるほど子供自身の意思が尊重され、10歳が大きな境目になる。

 

面会交流を正当に拒否できるケース
  1. 子供が非監護親と会うのを嫌がっている場合
  2. 非監護親に問題(薬物・DV・精神的に不安定)があり、子供への悪影響が心配される場合
  3. 両親が激しく争っているため、子供の心が引き裂かれているような場合
  4. 子供が連れ去られるおそれがある場合

 

調停や審判で認められる頻度は月1回程度が多いが、面会交流のスタイルは子供の年齢によって変わる。

 

1歳半〜2歳くらいなら、監護親つきそいで1時間程度、場所も監護親の家や近所が多い。

 

成長するほどに交流の仕方は自由になってくる。

 

なお、子供は拒否していないが、親同士が顔を合わせたくない場合、自治体やNPOの面会施設を利用できる。

 

一方、不当に面会交流した場合は損害賠償を請求されることがある。

 

不当に拒否された側は、裁判所に申し立てて、履行勧告してもらい、それでだめなら間接強制または損害賠償という手続きを踏むこと。

 

「相手が悪いのだから」と無理に会おうとすると、違法となって逆に会う権利を失う可能性あり。

 

再婚・連れ子と養育費

再婚相手に連れ子がいた場合、前の相手からの養育費は止まるのかとか、自分の扶養義務との関係、さらに自分も離婚した場合の養育費はどうなるのか、といった問題について解説が書かれています。

 

離婚と相続

非監護親が「うちの名字を今後名乗らせない」とか「相続を放棄させる」と主張することがあるが、それは法的に不可能。

 

ケーススタディ4

夫がリストラされて不和になり、離婚。

 

娘の親権をめぐり、感情的な争いになって、どうしても親権を取りたい妻が法律事務所オーセンスに来所。

 

弁護士が間に入って話し合い。

 

相手は冷静になり、親権を譲れば面会交流を設定するという提案を受諾、養育費にも納得。

 

調停や審判を経ずに、話し合いだけで解決できた。

 

第5章 リコンとお金

 

財産分与

財産は夫婦の「共有財産」と、どちらか一方の「特有財産」に分けられる。

 

共有財産とは婚姻中に夫婦で築いた預金や家財道具などで、それを離婚の際に分けることを財産分与と言う。

 

財産分与の3種類
  1. 清算的財産分与
  2. 扶養的財産分与
  3. 慰謝料的財産分与

 

1の清算的財産分与は婚姻関係の解消に当たって財産形成貢献度の比率で分けるもので、財産分与の基本。

 

2は、片方が専業主婦歴が長いとか病弱とかで求職が困難な場合に生活支援の目的で行うもの。

 

一括ではなく、今後〇年間に月々いくらといった取り決めをすることも。

 

3は有責配偶者が「金は払ってもいいが、『慰謝料』という名目はイヤだ」というような場合に。

 

離婚を決めたら、資産の棚卸をすること。

 

代表的な資産リスト
プラス資産 現預金、不動産、自動車、貴金属や高価な美術品、家財道具、株式などの有価証券やゴルフ会員権、生命保険や学資保険
項目名 住宅ローン、自動車ローンや学資ローンなどの借入金

 

離婚の意思を伝える前に財産をリストアップしておかないと資産隠しをされる恐れがある。

 

また、離婚後2年を過ぎると財産分与の請求ができなくなることにも注意。

 

住宅ローンも分けるのか?退職金も共有財産か?といった疑問への回答も載っている。

 

慰謝料

浮気やDVなどで「相手が悪い」とはっきり言い切れる証拠がある場合に請求できる。(認められるとは限らない)

 

慰謝料の算定には、双方の有責性、婚姻期間、未成年の子供の有無、財産分与の状況などを加味して総合的に判断される。

 

浮気の慰謝料の判決相場は、100〜200万円、浮気が原因で離婚に至った場合は200〜300万円。

 

ただし、協議や調停の段階ならもっと多額の請求も可能。

 

芸能人・スポーツ選手の離婚における巨額の慰謝料は例外ケース、または財産分与もコミの話と理解すること。

 

年金分割

離婚した夫婦の老後に年金格差が大きいのはおかしいということで法改正されてできたのが年金分割。

 

年金分割とは何か?、合意分割と三号分割、手続きなどが解説されている。

 

婚姻費用

婚姻費用とは、夫婦が生活するための費用、いわゆる生活費。衣食住の費用、子供の学費、医療費など。

 

離婚交渉が始まって、同居しているものの家にお金を入れてくれなくなったり、別居を始めた場合に問題になる。

 

そういう場合も、その時点から離婚が成立するまでの婚姻費用の分担を請求できる。

 

算定方法、請求方法、確実に支払わせる法的方法などが解説されている。

 

ケーススタディ5

夫に好きな人ができて出て行かれた子供のいる主婦。

 

離婚はしたくないが、生活費を入れてほしくて、法律事務所オーセンスに来所。

 

弁護士は婚姻費用の請求を提案。

 

依頼者は、離婚したくないので長期の裁判のようなことはいやと懸念を表明。

 

弁護士は、婚姻費用の請求は離婚を前提したものではなく、審判で決まるので短期間で解決することが多いと説明。

 

二回目の調停が成立して、適切な婚姻費用を支払ってもらうことができた。

 

第6章 リコンが成立

離婚直後のいろいろな手続きなどを解説している。

 

離婚届の出し方。

 

健康保険や年金、住民票、印鑑登録、運転免許証、パスポート、クレジットカード、生命保険などの名義・住所変更手続き。

 

自分と子供の姓や戸籍の問題。

 

男性は離婚後すぐに再婚できるが、女性は6カ月間再婚できない法律があること。(誰の子かわからない子供が生まれないように)

 

公的支援

シングルマザーにうれしい公的支援のリストはぜひチェックしたい。

 

  • 児童扶養手当
  • 児童育成手当
  • 母子福祉資金貸付
  • ひとり親家庭等医療費助成制度
  • 所得税・住民税の軽減措置
  • 国民年金保険の減免
  • 国民健康保険の減免
  • 水道料金・下水道料金の減免
  • 生活保護
  • JR通勤定期乗車券の割引や公営交通の無料乗車券
  • 公営住宅への入居