【徒歩尾行|探偵の浮気調査技術】

尾行こそ探偵技術の真髄

浮気調査の技術について解説していきます。

 

過去数年にわたる大手有名探偵社への取材に基づいているので、内容は確かです。

 

ここでは、徒歩尾行について説明します。

 

大手有名探偵社・原一探偵事務所のベテラン探偵W氏によれば、「尾行は探偵技術の真髄」だそうです。

 

隠し撮りなども技術が必要ですが、尾行ができていなければ、撮影のチャンスもつかめません。

 

尾行は探偵の基礎であり、かつ奥が深い技術なのです。

 

取材を通じて知りえたことをご紹介します。

 

 

浮気調査の尾行の難しさ

「人の後をつけるぐらい誰でもできる」と簡単に考える人も多いので、それが間違いであることを最初に説明しておきましょう。

 

1.短時間、2.適度な人通りがある場所で、3.まったく警戒していない相手を尾行するなら、素人でもうまくいくことも多いと思います。

 

しかし、浮気調査の尾行はこの3点がまるで違うのです。

 

1.尾行時間が非常に長い

まず、第一に尾行は最低でも数時間、長い時には何日にも及びます。

 

異性と会っているのを確認するだけでよいのではなく、ラブホテル出入りなどの証拠写真を撮るまで調査は終わらないからです。

 

どんな鈍感な人間でもこれほどの長時間に同じ人間を複数回見かければ尾行を疑います。

 

といって相手の視界に入らないことを優先しているだけでは、失尾(見失う)の危険が大きいです。

 

これほどの長時間、集中力を維持するのは並大抵のことではなく、一瞬気を緩めたすきにどこに行ったか分からなくなることが多いです。

 

例えば8時間、発覚も失尾もせずに人を尾行することができそうかどうか、想像してみていただきたいと思います。

 

2.失尾や発覚が起きやすい状況もある

一番尾行が楽なのは、「適度な人通りがある」状況ですが、いつもそんな理想的な状況で調査できるわけではないのです。

 

通勤ラッシュや祭りの雑踏の中で、相手との距離を保ちながら失尾しないのは至難の業です。

 

逆に極端に人通りが少なく、身を隠す遮蔽物もないような場所で、怪しまれることなく追尾するのもまた困難を極めます。

 

3.相手は多少なりとも警戒している

そして最後に、やましいことをしている対象者は程度の差はあっても周囲を警戒しています。

 

警戒心の強い性格の人や過去に浮気がバレた経験がある人はものすごく警戒しています。

 

そういう人は10分尾行するのも困難ですが、その場合もホテルに行くまで何時間も何日もバレずに追わねばならないのです。

 

以上の説明で、どんな場所、どんな相手でも証拠が取れるまで追い続ける探偵の仕事がいかに難しいかわかってもらえたと思います。

 

プロの尾行はチーム尾行

発覚を避けようとすると失尾の危険が増し、失尾を避けようとすると発覚の危険が増す。

 

長時間続くこのジレンマを解決するプロの方法論が「チーム尾行」です。

 

尾行は2人以上の探偵が連携して行います。

 

連携するとどんなメリットがあるのかはこれから説明しますが、まずトイレに行けるということがあります。

 

何時間も時には何日も続く尾行で、1度もトイレに行かないというのは不可能です。

 

しかし、トイレに行けば高い確率で失尾します。

 

だから単独尾行というのは、短時間で済むことが確実な特別な状況を除くと不可能なのです。

 

チーム尾行のフォーメーション例 1

1.A探偵がターゲット(T)を近い距離で追い、B探偵はさらに後ろでA探偵が見える距離で追う。

 

徒歩尾行フォーメーション1−1

 

2.適当なタイミングでB探偵は距離を詰め、A探偵は角を曲がる等していったん離脱し、役割を交代する。

 

徒歩尾行フォーメーション1−2

 

3.A探偵はB探偵の連絡を受けながら、B探偵の後方で復帰する。

 

徒歩尾行フォーメーション1−3

 

このように、近くで追う役割を定期的に交代することで発覚の確率を下げる。

 

チーム尾行のフォーメーション例 2

1.A探偵がターゲット(T)を近い距離で追い、B探偵は車道をはさんだ向かい側の歩道を歩く場合もある。

 

徒歩尾行フォーメーション2−1

 

2.ターゲット(T)が急にUターンしてきた。

 

尾行を怪しんだ場合だけでなく、何かを思い出したり、道を間違えてUターンするのはよくあること。

 

徒歩尾行フォーメーション2−2

 

3.その場合、A探偵は知らん顔ですれ違うしかない。

 

すれ違った後に振り返って相手がこちらを見ていたら発覚なので、振り返らずにそのまま進んでいったん離脱するしかない。

 

徒歩尾行フォーメーション2−3

 

4.この時、B探偵が尾行を継続する。

 

向かい側の歩道の尾行者B探偵に気づく人はほとんどいない。

 

現在の歩道を歩きながら対象を監視し続けるか、または適当なところで通りを渡って近い位置での尾行にまわる。

 

そしてA探偵は無線で状況報告を受けながら、離れた位置から尾行に復帰する。

 

徒歩尾行フォーメーション2−4

 

チーム尾行のフォーメーション例 3

1.A探偵が対象者の後ろで尾行し、B探偵がさらに後ろを歩いている。

 

対象者が手をつなぎ、イチャイチャし始めた。

 

いい写真が撮れそうだし、運が良ければ路チューとかもあるかもしれない。

 

正面から撮りたいが、A探偵が対象者を追い抜いてそれをやったら発覚する。

 

徒歩尾行フォーメーション3−1

 

2.そこでB探偵が先回りし、対象者に向かって歩きながら、隠しカメラで撮影する。

 

徒歩尾行フォーメーション3−2

 

チーム尾行のフォーメーション例 4

1.A探偵とB探偵が徒歩尾行を続ける間、C探偵は連絡を受けながら自動車を近い位置に移動させ続けていた。

 

ただし、対象者の目に入らない範囲で。

 

すると対象者Tが立ち止まった。

 

これはタクシーを拾う兆候である。

 

徒歩尾行フォーメーション4-1

 

2.タクシーに乗られてからでは間に合わないので、A探偵はC探偵に車を出す指示をする。

 

徒歩尾行フォーメーション4-2

 

3.ここからしばらくC探偵が車でタクシーを追う車両尾行になる。

 

徒歩尾行フォーメーション4-3

 

A探偵とB探偵は、C探偵の連絡を受けながら、別の車で車両尾行に合流する。

 

そして車両でのチーム尾行に移行する。

 

信頼性の高い通信環境が重要

上記の例でわかるように、チーム尾行では緊密な連絡が重要。

 

電波障害などで途切れる心配のない、1対多の通信ができる設備が必要です。

 

スマホを使っている探偵社が多いですが、安定性・信頼性で物足りないものがあります。

 

業界大手の原一探偵事務所の場合、デジタル業務無線を使っています。

 

これは警察と同レベルの機材で、1台10万円以上の高価なものですが、信頼性はスマホの比ではありません。

 

警察の同レベルのデジタル業務無線

【警察の同レベルのデジタル業務無線】

 

この機材は、各探偵と各車両に1台ずつ配備されているとのことです。

 

徒歩の場合、探偵はこれをズボンのポケットに入れておきますが、ポケットが不自然に膨らんだり、歩行・走行の邪魔にならない技術を開発しています。

 

ズボンの左ポケットに業務無線を入れた状態

【ズボンの左ポケットに業務無線を入れた状態】

 

ターゲットの観察

このようにターゲットを尾行しながら、撮影をしていきますが、同時に相手の動きをよく観察して、次の行動を予測することが大切です。

 

例えば、ターゲットが何かの店に入った場合はそこに出入口がいくつあるかすぐに確認してメンバーに無線報告します。

 

出入口が複数ある場合、他のメンバーがフォローしてくれることで気づかないうちに店を出られて失尾する事態を防げます。

 

買物も注意です。

 

コンドームを買えば、今日浮気をするのは確実。

 

飲み物を2つ買えば、まもなく相手と会います。

 

車道のわきで立ち止まった場合はタクシーを拾う兆候なので、すぐに連絡して他のメンバーに車をだしてもらいます。

 

タクシーに乗り込まれてから動いたのでは間に合わないのです。