【徒歩尾行応用編|探偵の浮気調査技術】

電車や新幹線追尾の技法も収録

2019年6月17日に、原一探偵事務所が2回目の尾行体験を用意してくれました。

 

1回目も徒歩尾行はありましたが、ショッピングモール内の徒歩移動だけでした。

 

今回は、新幹線を含む鉄道での移動が中心。

 

この経験で知った徒歩尾行の新たなテクニックを紹介します。

 

 

今回の尾行体験プログラムの概要

ナビ役探偵W氏(左)と当サイトの管理者

【ナビ役探偵W氏(左)と当サイトの管理者】

 

2015年4月の原一探偵事務所初取材からお世話になっているW氏が今回もナビを務めてくださった。

 

内容は、私・ナビ役の探偵・女性アシスタントの3人組を、3人の探偵がチーム尾行して撮影するというもの。

 

探偵のうち2人は新人で、今回のイベントは彼らの訓練を兼ねています。

 

この時は新宿のホテルから本社のある埼玉県川越まで、主に鉄道で移動しました。

 

探偵は目的地が川越であることは知っていますが、途中の経路は知りません。

 

我々は次のような経路で移動しました。

 

新宿⇒秋葉原(JR総武線)

 

秋葉原⇒東京(JR山手線)

 

東京⇒大宮(新幹線)

 

大宮⇒川越

 

私たち追われる方は、無線で探偵たちのやり取りを聞きながら尾行を受けます。

 

無線がなければ尾行されていることがまったくわからないので、面白くもなんともありません。

 

無線が聞こえているのに、探偵がどこにいるかわからず、後でバッチリ撮られているのを見せられるから、すごさを実感するのです。

 

この日もとてもエキサイティングな体験をしました。

 

その様子は別のサイトに収録しているので、ここではこの体験で学んだテクニックだけを抽出して紹介します。

 

(赤帯の写真は探偵が撮影、青帯の写真は我々が撮影したもの)

 

街中の徒歩尾行

 

正面写真の取り方

正面から撮られていた我々の写真

【正面から撮られていた我々の写真】

 

後ろ姿だけでなく正面写真を撮ることは極めて重要。

 

正面写真が1枚もないと第三者が客観的に本人同定できないので、最悪は証拠価値ゼロになる。

 

裁判になった場合に証拠採用されないのみならず、「これは自分ではない。似ているが人違い。」と主張され、浮気を認めさせる役にさえ立たない。

 

単独尾行だと正面写真を撮るには対象を追い抜いて回り込む必要があり、非常に無理がある。

 

チーム尾行なら一人が先回りして正面から隠し撮りし、すぐに角を曲がるなどして離脱すればいいので、比較的簡単である。

 

フォーメーションの組み方

歩き2名+車のフォーメーション例

【歩き2名+車のフォーメーション例】

 

ここでいうフォーメーションとは、チーム尾行に当たる探偵の役割分担のこと。

 

対象の移動手段は徒歩がメインと想定される場合も車を1台は用意するのが基本。

 

車がないとタクシーに乗られたり、浮気相手が車で迎えに来ただけで、失尾・調査終了となってしまう。

 

例えば3人チームなら歩き2人+車1人。

 

車担当は無線で連絡を取りながら、対象から見えない位置で車を移動していき、要請があった時に車を出す。

 

ほかにも歩き2名+車2台、歩き2名+車+バイクなど、状況に応じていろいろなフォーメーションが組まれる。

 

最初は依頼者の話を元にフォーメーションを組み、実調査を重ねて対象の動き方がわかってくるにつれ、どんどんフォーメーションを組み変えていく。

 

歩き探偵の位置のバリエーション

以前に教えてもらった歩きのフォーメーションの基本的な種類は、このサイトの「徒歩尾行」のページに収録している。

 

今回の尾行体験で別のパターンも教えてもらったので紹介する。

 

徒歩尾行フォーメーション5

 

探偵Aは車道の向こうの歩道で対象Tを尾行している。

 

これがTと同じ歩道の後方を歩くより気づかれにくいことは以前に教えてもらった。

 

今回教わったのは探偵Bの動き方。

 

ビル群をはさんで一本向こうの並行する通りを歩いている。

 

Tが交差点を渡るたびにBからTが見えて撮影できるが、絶対気づかない。

 

一本向こうの通りを尾行の探偵が歩いているなど、普通人の想像力の範囲外。

 

交差点以外ではBはTを全く目視できないが、目視できているAが無線で状況報告するから問題ない。

 

Aは気づかれにくい反面、Tが左折した時は車道を渡って追う必要がある。

 

車の交通量が多かったり、信号がなかったりすると渡るのに時間がかかり、失尾するかもしれない。

 

しかし、このフォーメーションなら左折サイドにはBがいるから失尾の心配はない。

 

無線の使い方

デジタル業務無線

【デジタル業務無線】

 

探偵同士の交信にはスマホを使う探偵社が多いが、原一探偵事務所の場合はデジタル業務無線を使っている。

 

テレビドラマで警察が使っているのを見たことがあると思うが、あれと同種の機器である。

 

調査時は探偵1人に1台と車1台に1台ずつ配備するとのこと。

 

尾行でよく出てくる言葉はすべて暗号化されている。

 

例えば、「尾行対象者」「対象者の相手」「合流する」「警戒している」といった言葉。

 

だから話しているのを聞かれたり、電波を傍受されても第三者には意味がわからない。

 

全員が同時に話すと混線するので、話せる優先順位がルール化されている。

 

これを「無線の組織化」という。

 

基本はチームリーダー優先だが、対象のそばで尾行している者がいる場合はその者が優先となる。

 

タクシーを使う場合

対象がタクシーに乗った直後に、別のタクシーに乗れる可能性は極めて低い。

 

だからタクシーを調査計画に入れることはありえないが、自社の車両が間に合わないなどの非常事態では使う。

 

上手く捕まえられた場合はタクシーで追うこともある程度可能。

 

ただタクシーの運転手は尾行には慣れていないので、信号等で引き離されての失尾は起きやすい。

 

また、同じグループの友達を追っているわけではないことはさりげなくわからせておく必要がある。

 

でないと対象車に接近しすぎたり、同じタクシー会社なら直接連絡を取られて発覚する場合も出てくる。

 

こういうケースに謝礼をもらえることはタクシードライバーの間でよく知られているため、普通は喜んで協力してくれる。

 

ただ、協力を取り付けるには、こちらの態度・物言いにコツがある。

 

距離の取り方

混んだ駅内では近くで追う

【混んだ駅内では近くで追う】

 

人が少ないところでは距離を取って発覚を避ける。

 

人が多いところでは距離を詰めて失尾を防ぐ。

 

この距離の取り方のバランス感覚が探偵の重要スキル。

 

基本は教えられるが、そこから先は個人のカン・センスであり、まさに探偵としての資質・才能と言える。

 

原一の場合、探偵は試用期間が6カ月あるが、プロになれるかどうかは比較的早い段階でわかるという。

 

対象が別行動を始めた場合の対処

対象が誰かと合流した後に分かれることがあり、その時の探偵の対処を決めておく必要がある。

 

すでにホテル出入りなど証拠が取れた後で契約時間内なら、尾行対象を浮気相手に切り替えて住所を突き止める。(所在調査)

 

ここから先はまだ証拠が取れていない段階の話。

 

恋人ではなさそうな相手なら無視して対象の尾行を続ける。

 

浮気相手と思われる場合は二手に分かれて追う場合もある。

 

一緒に歩いていた2人が離れて歩きだすのは警戒の兆候。

 

追尾側も慎重に対応し、対象2人に挟まれてしまうことを厳重に避け、警戒タイムを乗り切る。

 

再び一緒に歩きだせば警戒が解けたとみてよい。

 

対象が走る等した場合の対処

この時の尾行体験では、探偵を攪乱するために走ってみた。

 

無線で探偵が対応に追われるのを聞きながら走るのは愉快だった。

 

実際の調査でも対象が走ることはある。

 

電車などに乗り遅れないため、急に何かを思い出したため、あるいは尾行を巻くために。

 

こういう時は失尾しないことを優先する。

 

撮影している余裕がないので、写真が少なくなってしまうのはやむを得ない。

 

チーム尾行の利点を生かし、1人が近道で先回りするなど、なるべく目立たない方法で失尾を防ぐ。

 

走る対象をみんなで追いかけるようなことをすれば周囲の目を引くし、発覚しやすい。

 

階段やエスカレーターでの注意点

エスカレーターに向かう対象

【エスカレーターに向かう対象】

 

階段やエスカレーターを上がりきったところ、下がりきったところで対象が振り返るケースは非常に多い。

 

だからこういう場所では後ろについて昇降しないのが基本。

 

特に警戒の兆候が見られる時は絶対にしない。

 

相手がエスカレーターに乗りそうだと判断した段階で、階段で上がって先回りするとか、別な方法を選ぶ。

 

鉄道の徒歩尾行

 

探偵は複数の交通ICカードを持つ

SUICA, ICOCA等、複数の交通ICカード

【SUICA, ICOCA等、複数種類の交通ICカード】

 

今は、対象は切符を買わずに交通ICカードでスピーディーに改札を通過していくことが多い。

 

だから探偵も交通ICカードでの乗車を基本としている。

 

さて、SUICA、ICOCA、PASMOは全国共通で知られているが、ローカル線やローカルバスでは今現在でもSUICAでは使えない所もあるという話がある。

 

この話は裏が取れておらず、どこの路線の話かも不明だが、もし本当にカードが引っかかってモタモタしていたら失尾してしまう。

 

だから、探偵は常に複数種類の交通ICカードを携帯している。

 

経路の証明になる写真の撮影

対象が利用した路線、乗り降りした駅とその時刻などはとても重要な情報で正確に記録する必要がある。

 

駅や路線名、到着発車時刻案内、改札通過シーンなどを撮影するのは、手っ取り早い記録方法。

 

また、対象が本当にその経路を辿った証明にもなるので、なるべく漏らさず撮る。

 

探偵のカメラやビデオは全部撮影日時が画面に刻印できるようにセッティングされている。

 

JR新宿駅のサイン

【JR新宿駅のサイン】

 

JR新宿駅改札通過シーン

【JR新宿駅改札通過シーン】

 

到着・発車時刻掲示板

【到着・発車時刻掲示板】

 

JR秋葉原・駅名表示

【JR秋葉原・駅名表示】

 

電車内での尾行の基本

電車内の対象撮影

【電車内の対象撮影】

 

電車の中で探偵は座らずにドアのそばに立つのが基本。

 

対象の急な昇降や車内移動にも目立たずに対応できるため。

 

電車内では特別なことが起きることは少なく、カメラを他の乗客に見られるリスクがあるので、あまり撮影しない。

 

ただベタベタしているなら撮る価値はあるし、肩越しにスマホチャットを覗いて行き先や相手の名前がわかることもある。

 

混んでいる場合は無線はあまり使わない。

 

暗号を使うので聞こえても意味はわからないが、わけのわからないことをブツブツ言っている人物がいると周囲の乗客の注意を引く。

 

そういう場合はスマホのチャットで連絡を取ったりする。

 

対象の車内移動には複数の理由が考えられる。

 

単に降車駅の階段のそばの車両に移ろうとしているのか、人を探しているのか、尾行を警戒しているのか。

 

理由をよく見極めて適切な対応を取る。

 

新幹線乗換駅に行く場合は注意

東京、品川、新大阪などの新幹線乗換駅に対象が向かう場合、一番のポイントは新幹線に乗るのかどうかということ。

 

新幹線は一般の鉄道と色々な面で違う。

 

入場も別だし、同乗して追うにもコストがかかり、短時間で遠方まで行くので、目的地での車の手配も問題になる。

 

新幹線に乗るのか?行き先はどこか?それを早く推定し、一刻も早く関係の手配を始めないといけない。

 

新幹線の徒歩尾行

 

新幹線の行き先の推定方法

3番目の方法で行き先を確認

【3番目の方法で行き先を確認】

 

みどりの窓口での主な調べ方は次の3つ。

 

  1. 対象と同じ窓口に直後に並んで聞き出す
  2. となりの窓口で切符を買いながら立ち聞きする
  3. 対象の利用窓口が一番端ならパーティションの向こうで立ち聞きする

 

1にはコツがある。冷静に考えると自分で行き先を言わないのはおかしいのだが、JRも客商売。

 

客を不快にさせたくないし、自分も仕事が滞るのはイヤなので、明らかに怪しくない限り通過させる。

 

2は隣が空くまで後続の客を先に行かせるが、あまり時間がかかると対象の購入が終わってしまう。

 

上記3つの方法はホテルのフロントでも応用できる。

 

自由席がない場合の対応

全席指定の新幹線

【全席指定の新幹線】

 

みどりの窓口で行き先がわかればその行き先で、わからなかった場合は適当な行先で買って、いっしょに乗り込んでしまう。

 

乗りながら観察を続けることで行き先が判明した場合、自分たちの切符を修正してもらう。

 

誰かが全員の切符をまとめて手続きすれば、他の者は張り込みを継続できる。

 

これもチーム尾行の利点。

 

自由席がなければ指定席に座って指定席券を買う。

 

最悪はドア付近で立っていれば、全席指定車であっても特に咎められない。

 

行き先が分かった後は着いた先の車の手配などが問題になる。

 

原一の場合は全国に18拠点あるので、最寄りの支所に引き継ぐ。

 

これをリレー調査という。